高齢者とペット
高齢化社会の日本において、人と動物の暮らしは減少傾向にあることをご存知ですか?
しかし、一度は動物と暮らしたことがある人とって、再び動物と暮らしたいという思いは抱くことは自然なことですが、様々な問題点を見つけ諦めてしまうことも多いようです。
先日、高齢者とペットに関するご相談を、いただきました。
「離れて暮らす親が一人になってしまい、急に老け込んでしまった。家族で話し合い、ペットを迎えたら楽しくなるのでは?だとしたら、高齢者と暮らすのは犬がいい?猫がいい?」
まず、どちらを迎えるかという点についてですが、犬にも猫にもそれぞれにある根本的な特性があるということを理解しておくと、選ぶ時に役立ちます。
【犬】
・習慣を大切にするため、一緒に行動をしながら共に暮らすルールを伝えたり教えたりしながら成長を楽しめる
・物理的なお世話は多く、体を動かすのには良いパートナーとなる
【猫】
・情を大切にするため、安心のコミュニケーションがおこなえる
・成猫であれば手がかかることは少ない
もちろん、これだけではないのは当たり前で、動物によることも個々の性格もあるため絶対ではないですが、根底にこのようなエナジーがあると知っておくと、ライフスタイルに合わせやすくなります。
しかし、高齢者にとって動物と暮らすということについては「いつまで飼えるかわからない」ことや「体調が悪くなった時に世話ができない」など、不安が先に立ち冒頭にも書いたように動物との暮らしを諦めてしまうケースも多いのです。
それでも、離れて暮らす家族にとっては、自宅で過ごしたいと願う親に元気でいてほしいし、少しでも心が潤う日常が送れるならば手伝いたいと考えるものです。
では、どのように実現していったら良いのでしょうか。
今回のご相談では、すでに親御さんが猫と暮らした経験があったことや、いざというときのサポートができることが前提でしたが、実はここがとても重要な点です。
実際、動物と暮らしている方にも、これから暮らそうと考えている方にも、一度しっかりと検討していただきたい内容です。
それは、自分の身に何かがあった時に、引き取ってくれる先をあらかじめ見つけて依頼しておくことです。
命と暮らすことに関して、どれだけ自分に責任を課したとしても、時と場合によっては責任の取りようがないことは起きてしまうことがあります。
そのような時でも、先にお世話いただく先を決めておけば不安も軽減されますし、ペットの性格や日常の生活パターンの話など、誰かに話す機会にもなり人同士のコミュニケーションが絶えることもありません。
動物と楽しく暮らしていく日常を、どのように創造していくのかを考えると、動物と共に社会の一員として楽しく暮らすことは十分に可能であることがわかります。
また、今回のご相談のケースのように、家族が家族を思う気持ちに動物の存在が役に立つ場面はおおいにあり、それが、動物たちにとって活躍できる最高に嬉しい生き方となり、幸せであることは間違いありません。
なぜなら、動物たちも「役に立ちたい」からです。
今は、ペットに関する相談ができる”場所”は増えてきました。
専門家やプロと呼ばれる方に相談をしながら、豊かな生活の実現に向けてご家族が一緒考えてサポートしていけたら、その過程も一人になっていまった親御さんにとっては嬉しいコミュニケーションの一つになります。
人も動物も、何歳になっても互いを支え合い成長し合える頼もしいパートナーであることを、多くの方に知っていただけたら幸いです。